TDIの紹介
当社の特許技術であるエリアCCDを利用したTDI(Time Delay Integration)について紹介します。
TDIは移動物体を明るくぶれずに撮る技術
私たちが薄暗い場所で明るい写真を撮りたいと思ったら、まずはカメラのシャッター開放時間を長くすることでしょう。しかし被写体が動いていたらシャッターを開いている間に被写体が移動してしまい、ぶれた画像になります。この課題を解決する方法として TDI が知られています。TDI は像の移動に合わせてイメージセンサ上の信号を移動させながら蓄積することで、動いている被写体を明るくぶれずに撮影する技術です。
エリアCCDによるTDI
通常TDIは高価で特殊なイメージセンサを使用することで実現されます。
これに対し当社は、市販されているエリアCCDを独自の方法で駆動することで、TDIを実現する特許技術を有しています。
以下は本装置で撮影した画像です。TDIモードでは新幹線はぶれず、逆に背景がぶれた画像になっています。
以下は世界初のTDI動画です。
更に当社はカラー型センサを利用したカラーTDIを新しく開発しました。こちらも当社特許技術です。
応用例)人工衛星による地球観測
当社が採用しているエリアCCD及び駆動部品は、民生品でありながらも放射線に対する耐性を見込めるため、人工衛星による地球観測(リモートセンシング)に適します。特に光信号を十分蓄積するのが困難な以下の条件で効果を発揮します。
★高分解能(例:GSD 1m)
★夕暮れ、朝方、夜景撮影
★小さなレンズ(小型衛星)
★狭波長帯域
また本装置は高フレームレートのエリアCCDを採用していることから、特定領域を重複してTDI撮影することが可能です。地球観測の他、地球近傍物体の監視等に応用することも考えられます。本装置は小型、低消費電力、安価という性質を併せ持つことから小型人工衛星への搭載に最適です。
本技術を利用したカメラの試供品を準備しました。USBケーブルでPCと接続し、付属の専用アプリによりTDI撮影をお試しいただけます。ご興味ある方に貸し出しますのでご連絡ください。